14回目から6日空いて、今夜7月18日23時から仕込みを始める。今から焼くには遅いので、オーバーナイト発酵を初めて試す。低温長時間発酵の風味アップと、14回目の課題だった焼き色薄めの改善も期待。
さらに準備中に春よ恋が380gしか残っていないことが発覚。ベーコンエピ用に買っていたリスドォル220gを混ぜて600gにするという思わぬブレンド構成になった。
今回の検証ポイント
- オーバーナイト発酵初挑戦: 冷蔵庫で7〜8時間の低温長時間発酵
- 春よ恋+リスドォルのブレンド初挑戦: 強力粉63% + 準強力粉37%
- 金サフを3gに減量: 6g → 3g(1袋ぶん、粉比0.5%)
- 深夜仕込み→朝焼きの運用: 家事の分散と朝の焼きたて実現
- 風味と焼き色の変化: 14回目のシンプル系からの発展
オーバーナイト発酵とは
一次発酵を冷蔵庫(4〜6℃)で長時間行う方法。イーストの活動を極めてゆっくりにして、7〜24時間かけて発酵させる。
期待される効果:
- 低温長時間発酵で乳酸菌や酵素が働き、深い味わいに
- 糖分解がじっくり進むので還元糖が増える → 焼き色が濃くなる
- 生地が扱いやすい(冷えた生地はベタつきにくい)
- 朝焼きたてが食べられる
条件
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 仕込み開始 | 23:00 |
| 焼成予定 | 翌朝 6:00〜7:00 |
| 冷蔵庫時間 | 約7〜8時間 |
| 室温 | 28.1℃(エアコン稼働中) |
| 湿度 | 62% |
| 冷蔵庫温度 | 約4〜6℃ |
| 日付 | 7/18〜7/19 |
配合(14回目ベース、粉不足でブレンド + 金サフ減量)
| 材料 | 分量 | 粉比 | 14回目比 |
|---|---|---|---|
| 富澤商店 春よ恋 | 380 g | 63% | ↓ 600→380g |
| リスドォル | 220 g | 37% | 新規追加 |
| 砂糖 | 30 g | 5.0% | 同じ |
| 塩 | 7 g | 1.17% | 同じ(14回目確定値) |
| 金サフ | 3 g | 0.5% | ↓ 6g→3g(1袋ぶん) |
| 牛乳 | 250 g | 41.7% | 同じ |
| 水 | 170 g | 28.3% | 同じ |
| 無塩バター(大山) | 60 g | 10% | 同じ |
ブレンド構成の予想される特徴
- 春よ恋(強力粉、タンパク約11.5%)+ リスドォル(準強力粉、タンパク約10.7%)
- 平均タンパク質が下がる → やや軽やかな食感に
- 春よ恋のもっちり感 + リスドォルの歯切れの良さ
- クラストがややパリッとする方向
- オーバーナイト発酵との相性◎(リスドォル特有の風味が長時間発酵で引き出される)
工程
今夜(7/18 23:00〜)
- 一次こね: KN-1000で10分こね
- バター投入: 大山バターを常温戻し済み、さらに5分こね
- 冷蔵庫へ: 予備発酵なしで、そのままラップして冷蔵庫へ(23:45頃)
明朝(7/19 6:00〜)
- 冷蔵庫から出す: 発酵状態を確認、2倍程度に膨らんでいればOK
- 室温復温: 30分放置(生地を扱いやすい温度に戻す)
- 分割・ベンチタイム: 40g × 27個、ベンチタイム15分
- 成形: 丸めるだけ、表面をピンと張らせる
- 霧吹き + 二次発酵: 天板に並べて霧吹き、35℃で30〜40分
- 焼成: コンベック190℃で 10分(8+2)、15個×2ターン
観察ポイント
- 冷蔵庫で7〜8時間の発酵度合い(膨らみ、生地の状態)
- 生地の扱いやすさ(14回目より扱いやすいか)
- 焼き色が14回目より濃くなるか(オーバーナイトの主目的の一つ)
- 風味の変化(14回目のシンプル系からの変化)
- 朝焼きたての家族評価
- 金サフ3g(1袋)で長時間発酵が成立するか
- 春よ恋+リスドォルブレンドの食感(もっちりと歯切れの両立)
- クラストがパリッとする方向に振れるか
注意点・失敗パターン
- 冷蔵庫が暖かめだと過発酵: 野菜室ではなく通常庫内へ
- 金サフ3g(粉比0.5%)は少なめだが十分: 一般的なオーバーナイト発酵の下限に近い値、1袋分でちょうど使い切り
- 朝の復温時間を短縮しすぎない: 冷えた生地は扱いにくい、30分は確保
- 二次発酵の見極めが重要: 生地が冷えてる分、発酵が遅めに進む可能性
仕上がり

朝焼きたてを家族と一緒に朝食。オーバーナイト発酵初挑戦、無事成功。

- クラム(中身)の気泡が細かくてふわふわ → オーバーナイト発酵の本領発揮
- 手で軽くちぎれる柔らかさ
- 断面が真っ白で美しい、リスドォル混合の効果か
- 表面は滑らか、ツヤあり
- 焼き色は14回目と同じく淡いきつね色(塩7g + 金サフ3g + 冷蔵庫発酵の相乗効果)
- 形はふっくら綺麗、膨らみは十分
家族の評価
「食感も味もベスト、家族も大好評」 ✓ ✓
- 朝焼きたての幸福感
- クラムのしっとりふわふわ食感
- 塩加減も引き続き好バランス
- リスドォル混合の風味も自然に馴染む
振り返り
仮説検証の結果
| 項目 | 想定 | 結果 |
|---|---|---|
| オーバーナイト発酵 | 風味アップ+焼き色改善 | 味◎ / 焼き色は改善せず |
| 春よ恋+リスドォルブレンド | 軽やか+歯切れの両立 | ◎ 違和感なく仕上がる |
| 金サフ3g(1袋) | 長時間発酵の下限 | ◎ 十分に発酵 |
| 深夜仕込み→朝焼きの運用 | 家事分散 | ◎ 朝食に焼きたてが実現 |
| クラムの繊細さ | 気泡細かく | ◎ オーバーナイトの本領発揮 |
大きな発見
焼き色は薄いままだったが、**「味・食感の完成度が段違い」**という別次元の成果:
- 14回目(塩7g + 通常発酵)でも「シンプルで塩加減絶妙」だったが
- 15回目(塩7g + オーバーナイト)は「食感も味もベスト」に進化
- 焼き色の濃淡と味の完成度は別軸で評価すべきという気付き
つまり:
- 焼き色濃い = 香ばしさが強い(力強い味)
- 焼き色薄い = クラストが薄い(クラムが主役、繊細な味)
オーバーナイト発酵はクラム主役の繊細系パンに振り切る方向で完成度が高まった。
イースト臭が少ないという新しい気付き
食べていて感じたのが 「イースト臭が少なめ」 という点。オーバーナイト発酵の仕組みからすると理にかなっている:
イースト量が少ない → 副産物の絶対量が少ない:
- イースト(サッカロマイセス)は発酵時にエタノール、アセトアルデヒド、硫化水素、アセトン系ケトンなどの副産物を生成
- これらが「イーストっぽい香り」の正体
- 3g(半量)なので、そもそも生成量が半分に
低温長時間発酵で副産物が抜ける:
- 冷蔵庫内で7時間かけてゆっくり発酵
- 揮発性の高い成分(アルコール、アセトアルデヒド)が時間経過で自然に飛ぶ
- 一方で乳酸菌や酵素が働いて旨味・香ばしい香りが生成される
バランスが逆転:
- 通常発酵: イースト臭 > 旨味成分
- オーバーナイト: 旨味成分 > イースト臭
つまり「イースト臭が少ない=雑味が消えて素材の風味が前に出る」現象。プロのパン屋が低温長時間発酵を好む理由の一つがこれ。
新運用の位置づけ
深夜仕込み→朝焼きは生活パターンに完全にハマった:
- 前日夜: 23時にニーダー10+5分捏ね、そのまま冷蔵庫へ
- 翌朝: 復温30分、分割・成形、二次発酵、焼成
- 朝食に焼きたてが並ぶという家庭の理想が実現
これは家族にとって最高の朝食体験。焼き色が薄いことより、この体験価値の方が圧倒的に大きい。
次回に向けてのメモ
- オーバーナイト発酵を新定番運用として確定
- 焼く前の生地の匂いを意識して嗅ぐ(ヨーグルト系の酸味、フルーティーな甘い香り、麦の穀物香が混ざった「熟成香」を体感)
- 春よ恋100%(600g)でオーバーナイトを試して、リスドォル混合との比較
- 焼き色欲しい場合は焼成温度を195℃に上げる or 焼成時間+2分
- クラムの気泡・しっとり感の断面写真を記録
- ゆめちからブレンド、キタノカオリなど他の粉でもオーバーナイト実験
- 冷蔵庫時間を延ばす(12時間、24時間)と味がどう変わるか
- イースト量をさらに減らす実験(2gまで下げられるか)