29回目カンパーニュの学びを活かしてのリベンジ回。あの回で判明した**「ラップで密閉がバヌトン失敗の真の原因」を踏まえて、今夜は両方ともラップなし**で条件を揃える。

さらに加水を66%に下げる(-3%、水を15g減)。「同じだったら面白くない」の精神で、扱いやすさと食感に明確な違いが出るラインを狙う。ハード系の範囲内にとどめつつ、クープ・成形の楽さと横広がり抑制を両立させる設計。

今回の検証ポイント

  1. バヌトンの真の効果検証 — 両方ラップなしで条件を揃える
  2. 加水66%で扱いやすさ向上 — クープ・成形が楽になるか
  3. 食感の変化検証 — 加水3%減で「もちもち」がどう変わるか
  4. 通常発酵で当日完結 — 29回目のオーバーナイトから戻す
  5. クープリベンジ継続 — カッター + 油の運用定着

29回目からの改善点

項目29回目30回目
加水69%66%(-3%)
バヌトン組の覆いラップあり(失敗要因)ラップなし
水切りカゴ組の覆いラップなしラップなし(変わらず)
発酵方式オーバーナイト(10時間)通常発酵(60〜80分一次)
クープカッター + 油 ✓同じ

条件

項目値
仕込み開始18:00頃
焼成予定21〜22時頃
発酵環境SK-15発酵器 30℃
室温
湿度
日付9/24

配合(加水66%、水を15g減らす)

材料分量粉比29回目との差
プロフーズ リスドォル500 g100%同じ
塩10 g2.0%同じ
とかち野酵母(予備発酵タイプ)4 g0.8%同じ
予備発酵用 お湯(40℃)60 g-同じ
予備発酵用 砂糖2 g-同じ
モルトパウダー1.5 g0.3%同じ
水270 g54%-15g

加水合計: 330g(66%) 生地総量: 約845g → 約420g × 2個

予想される変化(29回目との比較)

項目29回目(加水69%)30回目(加水66%)
生地の柔らかさかなり柔らかい明確に扱いやすい
成形難しい楽になる
クープかなり難しい綺麗に開くはず
横広がり強い少なくなる、丸に近づく
もっちり感理想少し軽い方向へ、でも十分もちもち
気泡分布大小混在で大きめやや細かめ寄り
家族評価予想「理想」未知数(分岐点)

工程(通常発酵・A/B比較)

  1. 予備発酵: お湯60g + 砂糖2g + とかち野4g、10分待つ
  2. 一次こね: KN-1000で
    • 粉500g + 塩10g + モルトパウダー1.5g
    • 予備発酵液 + 水270g を加える
    • 10〜12分こね
  3. 一次発酵: SK-15発酵器30℃で 60〜80分(2倍以上に膨らむまで)
  4. 分割: 約420g × 2個(できるだけ同量に)
  5. ベンチタイム: 20〜25分
  6. 成形: 表面を張らせて楕円にまとめる(両方とも同じ成形)
  7. セット:
    • A: バヌトン(1個目) — 布ライナーに打ち粉、閉じ目を上にセット
    • B: 水切りカゴ(2個目) — キッチンペーパー敷き、閉じ目を上にセット
    • 両方ともラップなし、覆いは軽く布巾程度
  8. 二次発酵: SK-15発酵器30℃で 50〜60分(両方同時に)
  9. バヌトンから取り出し: パーチメントペーパー敷き天板にひっくり返して移す
    • 籐の縞模様が転写されているか確認
  10. クープ: カッターナイフ + 油でリベンジ継続
    • 楕円の長軸に沿って一本クープ or 十字
    • 素早く一気に
  11. 焼成準備: コンベック240℃予熱 + 天板に霧吹き
  12. 焼成: 240℃×20分 → 前後入れ替え → 5分

予想される結果

バヌトンあり(A)の予想

  • 綺麗な楕円形をキープ(ラップなし+加水66%で安定)
  • 表面に籐の縞模様が転写される(29回目失敗、今回こそ)
  • 高さがしっかり出る
  • クープが綺麗に開く(加水低めの効果大)

水切りカゴ(B)の予想

  • 29回目と同様、綺麗な楕円形で成功
  • ラップなしで表面が締まる
  • 加水66%でさらに扱いやすくなる
  • 焼成時の「エレファントイヤー」現象は残るか

加水66%の食感予想

  • 29回目の「もちもち理想」から少し軽い方向へ
  • でもプチパン以上の存在感は維持
  • 家族評価が分岐点、これはやってみないと分からない
  • 「もっちり派」なら加水69%好み、「軽やか派」なら加水66%好み

予想される変化・観察ポイント

  • 加水66%での生地の扱いやすさ(69%との違い)
  • バヌトン下準備(打ち粉、匂い抜き)
  • 布ライナーへの生地のくっつき具合(ラップなしで改善するか)
  • 二次発酵中の生地の形状保持(両容器)
  • バヌトンひっくり返しの成否
  • 籐の縞模様の転写具合(真のバヌトン効果)
  • クープの開き具合(加水66%で劇的改善するか)
  • 焼き色の均一性(前後入れ替えの効果)
  • 2個の形の違い(バヌトン vs 水切りカゴ、公平な条件で)
  • 2個の断面比較(クラム構造の差)
  • 家族評価(29回目との食感比較)

トラブル: 布ライナーへのくっつき

バヌトンから外した瞬間、生地が激しくくっついた

バヌトンから取り出す際、生地が布ライナーに激しくくっついた。手前がバヌトン組、奥(黒天板)が水切りカゴ組。特に手前は表面が引きちぎられて、うねうねした跡がべっとり残る状態に。打ち粉はそれなりに振ったつもりだったが、明らかに不足。

失敗の原因分析

通常発酵 + 布ライナーが最悪の組み合わせだった:

  1. 通常発酵は生地表面が湿ってる時間が長い

    • 発酵中〜バヌトン内で常に「湿った状態」
    • オーバーナイト(冷蔵)だと表面が冷えて締まる時間がある
    • 通常発酵はそのままの湿り気で長時間接触
  2. 打ち粉が加水66%でも足りなかった

    • 加水を減らしても、生地表面の湿り気は残る
    • 布ライナーの繊維が湿った生地をキャッチ
    • 打ち粉だけでは不十分な湿り気レベル
  3. 29回目水切りカゴ成功の要因の再確認

    • ラップなし + 冷蔵庫の乾燥 + キッチンペーパー
    • キッチンペーパーは布より繊維が細かく、生地が食い込みにくい
    • 冷蔵で表面が締まった状態でひっくり返せた

対策メモ(次回への学び)

  1. 打ち粉を「強力粉 + 米粉 1:1」に変える
    • 米粉が最強のくっつき防止(プロの技)
    • 米粉はグルテンなし、水を吸わず表面をコーティング
  2. 打ち粉を「布ライナーが白くなるくらい」振る
  3. バヌトン + 布ライナーはオーバーナイト向き
    • 通常発酵で使うなら、より念入りな打ち粉が必須
  4. 布ライナーを外して直接籐に打ち粉もアリ
  5. 今回はこのまま焼いて食感検証を優先

この失敗の日誌的な意義

  • 29回目「ラップNG」の教訓に加え、「通常発酵×布ライナーの相性」も判明
  • バヌトン運用の難しさが立体的に見えてきた
  • 見た目マイナスでも、食感検証は完全にできる(クラム構造は成形後の表面状態にほぼ影響されない)

仕上がり

振り返り

重要な結論: 加水66%でも扱いやすさは変わらなかった

今回の主要検証ポイントだった「加水66%で扱いやすさアップ」は、体感的にほぼ変化なしという結果。加水を3%下げたにもかかわらず、成形時・分割時・バヌトンからの取り出し時の難しさは29回目(加水69%)と変わらず。

この結論の意味

  • 加水を66%まで下げる意味が薄い
  • 食感の理想を優先して加水69%に戻すのが合理的
  • 「扱いやすさ」の改善は加水率以外の要素(打ち粉、覆い、発酵方式)で追求すべき
  • カンパーニュの定番加水は69%で確定

3回連続カンパーニュ実験の学び(28〜30回目)

回加水発酵覆い主な学び
28回目69%通常なし加水69%で理想の食感、形は饅頭型
29回目69%オーバーナイトラップあり→失敗ラップ密閉NG、水切りカゴ+ラップなしで成功
30回目66%通常ラップなし加水66%でも扱いやすさ変わらず、布ライナーくっつき

次回(31回目)への方針

  • 加水を69%に戻す(食感優先)
  • 通常発酵で再挑戦
  • 布ライナー対策: 打ち粉を米粉ミックスに、または量を大幅増
  • バヌトンあり vs 水切りカゴの真の比較を仕切り直し